テストパイロットであり、民間宇宙旅行を提供するSXC社を立ち上げた起業家。そして宇宙船が完成したあかつきには宇宙飛行士にもなるHarry van Hulten(ハリー・ファン・ハルテン)は、宇宙飛行士として人々を宇宙へ連れ出すという大胆不敵な考えを持っていながら、どうしてこんなに地に足のついた人間でいられるのだろうか?彼の人生を解き明かすインタビューを4回にわけてお届けする。

あなたは戦闘機のパイロットでもありテストパイロットでもあり、今では民間宇宙旅行を目指す会社の共同設立者です。なぜ人類が宇宙に行くことがそれほど重要だと思ったのですか?

私たちが空中で生活し仕事するのを学んできたように、私たちは宇宙で仕事し生活することを学ぶべきだと確信しています。人間が飛行を始めて100年になりますが、航空産業を作り上げ、新しいソリューション、新しいテクノロジーで偉大なことを成し遂げてきました。同じことを宇宙でやる必要があると私は思っています。これは本当に最後のフロンティアです。地上では、いくつかの大きな問題に直面しています。将来的に十分な水やエネルギーを持てるだろうか? 我々に残された空間があるのだろうか?もちろん宇宙には無限の空間があり、資源も無限です。だから答えはそこにあると私は思います。

私たちが地上で直面している問題を、宇宙では少なくとも部分的には解決できるのでしょうか?

これまでにたくさんの宇宙テクノロジーが開発されてきました。GPSナビゲーション、無線通信といった私たちが日々頼っているものは、実験の結果やただの偶然であっても、人類が宇宙の探査をすることで進歩してきたものです。それはまさに探検なのです。何を発見するか、誰にもわかりません。ですから、特定のミッションに限定されるものではなく、私たちが探し求め、知らなかったことを発見するためにも、宇宙を探検することは大切だと思います。そのためにSXCがあるのです。私たちは、科学実験や衛星の打ち上げのためであるとか、単なるインスピレーションのためであるとかに関係なく、多くの人たちにとって宇宙を身近なものにしたいのです。

SXCの事業はどのようにして始まったのですか?

ちょうど私がテストパイロットスクールを終えたころ、世間では宇宙を商業化する動きが活発化していました。私はこのときに既に宇宙への夢が頭から離れなくなっていました。日頃の仕事に専念し、家族の元にいれるように、その思いを忘れられればと願っていたのですが、いつも戻ってきてしまうんです。2002年の夏には、もう趣味とまでなっていました。私はそのためのビジネスモデルと戦略を書きました。それから2004年にScaled CompositesがモハベでX賞を受賞しました。あの時、私はF-16のテストのためにエドワード空軍基地にいまして、モハベまでは車でほんの30分でしたから、私はそこへ出かけてはふらフライトを見て、遂には関係者と会うまでになっっていたのです。私はBen Droste(ベンド・ロステ)のところへ行って話をしました。彼は元オランダ空軍の最高司令官で、当時はオランダ航空宇宙計画局の局長でした。私が、彼の助言が必要だと彼に伝えたところ、驚くことに、一緒にパートナーとなってやってみようと言ってくれたのです。1年半のうちに、かなりの初期投資を確保することができました。2011年4月にはプレキャンペーンを開始しました。

プロフィール
Harry van Hulten(ハリー・ファン・ハルテン)
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オランダの航空探索・旅行会社SXCの創始者で現COO。オランダのブレタ王立防衛大学にて工学の学士を修了した後、テストパイロットとして高性能戦闘機を含む42種類の航空機をの操縦し、総計3,000時間(うち2,600時間はF-16の操縦)以上のフライトの経験を積んでいる。EURO・NATO共同ジェットパイロットトレーニングとF-16ウェポン・インストラクター・コースを修了した後は、NASAのおアイロットの独占的な準備プログラムであるUSAテストパイロットスクールのテストパイロットに従事していた。