テストパイロットであり、民間宇宙旅行を提供するSXC社を立ち上げた起業家。そして宇宙船が完成したあかつきには宇宙飛行士にもなるHarry van Hulten(ハリー・ファン・ハルテン)は、宇宙飛行士として人々を宇宙へ連れ出すという大胆不敵な考えを持っていながら、どうしてこんなに地に足のついた人間でいられるのだろうか?彼の人生を解き明かすインタビュー最終回(全4回)をお届けする。

あなたがたは、Luminoxと一緒に取り組んでいますが、そのパートナーシップはどのように生まれたのですか?そして、現在どう進行していますか?

Luminoxはかなり若い企業ですが、短期間に素晴らしい成果を上げました。非常に革新的であり、そこが私たちを結びつけています。言うまでもなくLuminoxのターゲットグループであるパイロットとSXCとは特別なつながりがあります。LuminoxにはF-16やF-22を記念した時計があります。そして今度はSXCスペースウォッチを開発しており、これは私たちにとって非常に魅力的な時計です。

スペースウォッチには何が必要となりますか? 宇宙飛行士のニーズが時計でどのように満たされますか?

何でもないことのようですが、私はこれまでの人生であらゆる時計と共に飛行してきました。そこで言えるのは、時計によるほんの少しの違和感が、プレッシャー下にいるときにはかなり不快に感じることです。9Gでは、全てのものが違ってきます。1秒以下まで適切に時刻を示してくれるデジタル表示が必要ですし、基本となるGMT(世界標準時刻)と結びついたアナログ表示も必要となります。パイロットほどタイムゾーンが頻繁に切り替わる人間はいなく、新しいタイムゾーンに調整するのは厄介だったりします。

さて、フライト、宇宙、宇宙の商業化について話してきましたが、次に何が来るでしょうか?

ご存じの通り、アポロ計画の後、ヒルトンは衛星軌道上にホテルを建てるというアイデアを思いつきました。これも、長いあいだ馬鹿にされてきましたが、もうすぐ人々が日常的に宇宙へ行く時代が来るのですから、これが実は論理的なステップであると人々は理解するでしょう。もちろんISS(International Space Station:国際宇宙ステーション)はあり、これは商業的な可能性を持つ研究所でありホテルです。さて、質問に戻りますが、私たちはどこへ向かっているのでしょう?未来がどんなものになるのかはっきりとわかりませんが、月面基地になるのか軌道上のホテルのようなものができるかもしれません。ただ、誰もが宇宙に長く滞在したいわけですから、まもなく宇宙で過ごす時間が5分間より長くなることは間違いありません。宇宙のホテル?いいじゃないですか。5分間では物足りないという人には、5日間を提供すればいい。ですから、私たちはスペースウォッチに何をが必要かというアイデアをたくさん持っていました。それをXCOR(Lynxの製造メーカー)の友人に話し、次にそれをすべてLuminoxに伝えました。彼らは実に真剣に聞いてくれました。私たちのアドバイスをすべて採用し、いくつかのプロトタイプに組み入れ、これを使ってテストしてほしいと依頼してきました。私たちはL-39に乗り込み、4Gに到達するフライトでこれを使いました。単純な話に聞こえるかもしれませんが、これがテストなのです。時計の視認や操作が面倒だった場合はそのまま伝えました。Luminoxは私たちのフィードバックに耳を傾け、改良に改良を重ねました。それからもう1つ。パイロットは、アクセサリー類をあまり持ちません。女性はネックレスやイヤリングなど、いろいろ身につけますが、パイロットにしてみたら、そんなものを付けるのは無意味です。身につけるのは2 つ、サングラスと時計だけです。パイロットに尋ねてみてください。サングラスと時計については非常にこだわるはずです。私自身はLuminoxを選びました。私はその時計に出会い、時計の背後にいる人々と出会い、とても強い印象を受けました。

そういえば、いま飛行用サングラスをかけていますが、視力は問題ないんですか?

もう45歳になりますが、まだ視力は正常です。

あなたの好きな宇宙飛行士は誰ですか?

Buzz Aldrin(バズ・オルドリン)は真のパイオニアであり、Neil (ニール・アームストロング)とともに ランキングのトップにきますね。月に行った最初の人間ですから。1969年に月に行きましたが、あれは信じられないことです。Buzz Aldrin(バズ・オルドリン)はSXC顧問の役目を引き受けてくれました。私はこれをとても誇りに思いますし、わくわくしています。彼らは私の憧れなのです。正直言って、私が称賛しない宇宙飛行士はいないのですが。

宇宙映画は何がお気に入りですか?

「ライトスタッフ」ですね。あれは素晴らしかった。Chuck Yeager(チャック・イエガー)を観ましたか? バーの中で、カウボーイハットを被った名場面がありましたね。あれは実に彼らしい。

私とあなたがボーイング747-400の指導員として隣り合わせに座っているとしましょう。パイロットが心臓発作に襲われた場合、あなたは飛行機を着陸できますか?

はい。

簡単に?あなたがコックピットに飛び移って飛行する。何も問題はありませんか?

実際にボーイングやマクドネル・ダグラス機の全シミュレータに乗って飛行するのは、テストパイロットスクールの授業の一部なのです。しかも、それほど難しいものではありません。エンジンの故障や厳しい気象条件の中でも着陸するのです。私たちは747-400のシミュレータで飛行してきましたから、そうですね、実際にはかなり簡単だろうと思います。私に任せてくれれば、安全にあなたを家までお送りしますよ。

プロフィール
Harry van Hulten(ハリー・ファン・ハルテン)

harryprofile.jpg オランダの航空探索・旅行会社 SXCの創始者で現COO。オランダのブレタ王立防衛大学にて工学の学士を修了した後、テストパイロットとして高性能戦闘機を含む42種類の航空機をの操縦し、総計3,000時間(うち2,600時間はF-16の操縦)以上のフライトの経験を積んでいる。EURO・NATO共同ジェットパイロットトレーニングとF-16ウェポン・インストラクター・コースを修了した後は、NASAのおアイロットの独占的な準備プログラムであるUSAテストパイロットスクールのテストパイロットに従事していた。